省エネ基準入門 - 住宅の省エネ基準とは

省エネルギー基準(省エネ基準)の計算は面倒で時間がかかります。
エネボスを使用すれば計算はソフトが行いますので、計算方法を理解する必要はありません。
ただ、省エネ基準を理解していないと計算結果の説明ができませんし、弱点を把握したり、効率的に性能アップしたりもできません。

そのため、省エネ基準の基本を知っておくことは重要です。
そこで、これから何回かに分けて省エネ基準の基本について解説していきたいと思います。
今まで勉強は大変だからと敬遠していた方にぜひ読んでいただきたいです。

住宅の省エネ基準とは

省エネ基準とは何でしょうか。
温室効果ガスにより地球が温暖化し様々な影響が出てきています。
そのため、あらゆる分野で省エネが求められていて、当然住宅でも省エネが求められています。
住宅の省エネ性能の基準となるのが省エネ基準です。

住宅の省エネ手法としては、大きく分けると二つの方法があります。
一つは「建築による手法」、もう一つは「設備による手法」です。

建築による手法

建築による手法としては、断熱日射制御などがあります。
断熱や高気密化により住宅から逃げていく熱損失を少なくし、夏は日射を遮り、冬は日射を取得することで省エネにできます。

設備による手法

設備による手法としては、設備の高効率化と太陽光発電などの創エネがあります。
エアコンや冷蔵庫などの家電や照明の高効率化、潜熱回収型給湯器、コージェネレーションシステム、太陽光発電、太陽熱利用は省エネになります。

基準値

省エネ基準では全国を8地域に分け、地域ごとに基準値が設けられています。
基準値が設けられているのは、以下の3項目です

外皮平均熱貫流率(UA値)
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)
一次エネルギー消費量

外皮平均熱貫流率は断熱性能を、冷房期の平均日射熱取得率は日射遮蔽性能を、一次エネルギー消費量は設備の省エネ性を判断します。
「建築による手法」(外皮性能)の省エネ性を判断できるのが外皮平均熱貫流率と平均日射熱取得率、「設備による手法」が一次エネルギー消費量に該当します。

省エネ基準を判定するためには、外皮平均熱貫流率、平均日射熱取得率、一次エネルギー消費量の計算が必要です。

 

2022年08月07日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門