省エネ基準入門 - 熱的境界

省エネルギー基準(省エネ基準)の外皮平均熱貫流率(UA値)や平均日射熱取得率(ηA値)を計算する場合は、まずどの部分が計算の対象になるかを考えなくてはなりません。
その基本になるのが熱的境界です。

熱的境界とは住宅の中と外を分ける境界です。
一般的には断熱材が入っている面、窓・ドアが熱的境界になります。
たとえば、天井断熱の場合は天井が熱的境界になりますし、屋根断熱の場合は屋根が熱的境界になります。
風除室やサンルームは熱的境界の外側です。
基本的に熱的境界は連続していますので、断熱材が入っていない場所では、どこが境界になるかを判断しなければなりません。

熱的境界は直接外気に接している場所とは限らず、天井断熱時の天井裏や床断熱時の外気に通じる床裏、共同住宅の隣接住戸なども熱的境界になります。
また、たとえば住宅に組み込まれている車庫物置は一般的には熱的境界の外側になりますので、組込車庫に接している壁や床も熱的境界になります。

面積などの計算は熱的境界に沿って行います。
そのため、熱的境界は省エネ計算の基本になります。
熱的境界の位置を間違えると計算のやり直しになりますので、しっかり確認するようにしましょう。

天井断熱時の熱的境界

天井断熱

 

屋根断熱時の熱的境界

屋根断熱

組込車庫などの熱的境界

組込車庫
2022年10月10日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門