土間床等の外周部の線熱貫流率Ψgの計算方法の変更

2024年12月に土間床等の外周部の線熱貫流率Ψgの計算方法が変わりました。
(熱貫流率及び線熱貫流率 Ver.23)
これに合わせてエネボスの計算方法を変更しました。

従来はべた基礎の場合、基礎壁の内側の断熱材と土間床上に設置する断熱材、布基礎の場合は、基礎壁の外側の断熱材と土間床上端の上に設置する断熱材しか考慮できませんでした。
新しい計算方法では、べた基礎、布基礎とも、基礎壁の外側と内側、土間床の上端か下端の断熱材を考慮できるようになり、より多くの断熱仕様を考慮できるようになりました。

現在土間床等の計算方法は4つあります。

基礎形状によらない値を用いる方法

この方法は断熱方法にかかわらず定数を用います。
土間床上端と地盤面の高さ差別に表が用意されています。
これは簡易な方法で、断熱材を考慮できないため、性能が低く評価されやすくなります。
計算は簡単になりますが、できれば次に紹介する代表的な仕様の計算例の値を用いる方法をお勧めします。

定常二次元伝熱計算により算出した代表的な仕様の計算例の値を用いる方法

断熱仕様別に表が用意されていて、その表の値を拾います。
べた基礎、布基礎に対応し、基礎壁の外側・内側断熱材、土間床上端・下端の断熱材を考慮できます。
この表に当てはまらない場合は、基礎形状によらない値を用いる方法を使用します。

今回の変更でより多くの断熱材の組み合わせを考慮できるようになりました。
様々な断熱材の組み合わせを考慮できるようになったため、表が大幅に拡張されました。
そのため、手計算するとそれぞれの断熱材の熱抵抗を求めてから、条件に当てはまる数値を拾う必要がありけっこう手間がかかります

エネボスでは断熱材の種類と厚さを設定するだけで簡単に計算することができます。

旧計算法

以前の計算方法で、令和8年(2026年)10月31日まで使用可能です。
現在の計算方法と異なり計算式から熱貫流率を求めます。
断熱仕様によっては、現在の計算方法よりも有利になる可能性がありますが、使用期限が設けられている計算方法なので、代表的な仕様の計算例の値を用いる方法を使用することをお勧めします。

エネボスは互換性のため旧計算法にも対応しています。
旧計算法で計算する場合は「部位」メニューの「基礎・土間床追加(旧計算法)」から設定してください。

土間床等の外周部の線熱貫流率の算出プログラム

以下のURLにある計算プログラムです。
https://house.lowenergy.jp/program
より精緻な計算方法だと思われますが、現在のところ任意評定の取得が必要で、通常の省エネ計算に使用することはできませんのでご注意ください。

2024年12月22日|ブログのカテゴリー:省エネ基準