外皮面積は、熱的境界となる外壁、屋根、天井、床、窓、ドアなどの面積を対象とします。
土間床・基礎断熱は計算方法により面積の扱いが変わります。
部位で仕様が異なる場合は、仕様ごとに面積を計算します。
また、開口部については、大きさや日除け(庇など)、付属部材(風除室など)の有無でも異なりますので、一窓ごとに面積を求めます。
寸法
面積を計算する場合、まず図面から寸法を拾います。
寸法の拾い方は部位によって異なりますので注意が必要です。
水平方向
水平方向の寸法は、原則として部位の壁心間の寸法を取ります。
垂直方向
垂直方向の寸法は部位によって異なります。
一戸建て住宅
床等 | 床レベル |
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基礎断熱 | 基礎天端 |
屋根断熱 | 軒桁上端(軒高) |
天井断熱 | 天井高さレベル |
共同住宅
下階側界床等 | 自住戸床スラブ等の上端 |
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屋根・天井 上階側界床等 |
上階住戸床スラブ等(最上階住戸の場合は屋根スラブ等)の上端 |
面積計算
寸法を元に面積を計算します。
計算した面積は四捨五入して小数点第二位までとします。
外壁
外壁全体の面積から開口部(窓・ドア)の面積を引いた面積を計算します。
屋根
屋根は水平投射面積ではなく、勾配を考慮した実面積(外気に接している面積)を計算します。
屋根全体の面積から窓の面積を引いた面積を計算します。
天井断熱の場合は屋根はないものとします。
窓・ドア
開口部の面積を計算する場合は、原則躯体部の開口寸法を使用しますが、建具の出来寸法や呼称寸法を使用することもできます。
胴差
充填断熱で木造軸組構法の場合は、通常階間に胴差が入ります。
胴差部は他の外壁と柱の構成が変わりますので、これを分けて計算する必要があります。
基礎断熱・土間床
2021年4月から新しい計算方法が追加されました。
新計算方法の場合は基礎断熱・土間床をさらに、基礎壁、土間床外周部に分けなければなりません。
基礎壁は外壁同様に面積を考慮する必要があります。
従来の計算方法の場合は床面を外皮面積に加算しますが、垂直方向の基礎の立上り部分は外皮面積に加算しません。
基礎断熱、及び土間床の場合は、面積とは別に外周部の長さ(周長)を図面から拾います。
面積は外皮面積としてのみ使用し、熱損失量計算時には面積ではなく周長を使用します。
周長は外気側周長と床裏側周長に分かれます。
外気側周長は外気に直接触れている周長で、床裏側周長は床裏側に接する周長です。
出窓
壁面からの突出が500mm未満の出窓は突出していないものとして扱うことができます。
500mm以上の場合は、突出部を外壁、屋根、床の部位として計算しなければなりません。