HEAT20 G1・G2・G3

省エネルギー基準よりもさらに省エネを目指すガイドラインです。
現在の省エネルギー基準(省エネ基準)はすでに古くなっていて、世界的に見ても低い基準になっています。
省エネ基準は適合義務化の話が出てきていますので、今後は省エネ基準が最低ラインとなり、その上の基準が求められます。
省エネ基準よりも高い基準としてはZEHがありますが、ZEHは設備や太陽光発電なども含めた総合的な基準になるため、断熱性能についてはそれほど高い基準にはなっていません。
そこで本来の意味での省エネや快適性などに対応できる基準として、HEAT20というガイドラインが設けられました。

断熱性能を高めることで省エネ基準よりもHEAT20 G1で20~30%削減、HEAT20 G2で30~50%削減を目標としています。
(削減量は地域や暖房方式によります)

外皮平均熱貫流率(UA値

地域 4 5 6 7
G1 0.34 0.34 0.38 0.46 0.48 0.56 0.56
G2 0.28 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46
G3(2019年6月案) 0.20 0.20 0.20 0.23 0.23 0.26 0.26
ZEH 0.40 0.40 0.50 0.60 0.60 0.60 0.60
省エネ基準 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)については省エネ基準を最低条件とし、それ以上高い基準は設けられていません。

断熱例

省エネ基準と比較するとHEAT20はそれなりに高い性能が求められます。
断熱性能を高くするためには、それに見合った断熱材が必要になり当然コストもかかります。
以下にHEAT20で提示されている断熱例を記します。

木造戸建住宅 6地域

  省エネ基準 HEAT20 G1 HEAT20 G2 HEAT20 G3
UA値 0.87 0.56 0.46 0.26
天井 吹込GW
λ=0.052
厚さ=200
吹込GW
λ=0.052
厚さ=200
吹込GW
λ=0.052
厚さ=270
吹込GW
λ=0.034
厚さ=210
外壁 GW16K
λ=0.045
厚さ=85(充填)
HGW16K
λ=0.038
厚さ=105(充填)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=25(外張)
+
HGW16K
λ=0.038
厚さ=105(充填)
プラ系
λ=0.022
厚さ=100(外張)
+
GW
λ=0.034
厚さ=105(充填)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=70(剛床)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=95(剛床)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=95(剛床)
プラ系
λ=0.022
厚さ=200
(根太+大引間)
U=4.65 U=2.33 U=1.90 U=1.30
ドア U=4.65 U=2.33 U=1.90 U=1.30

木造戸建住宅 2地域

  省エネ基準 HEAT20 G1 HEAT20 G2 HEAT20 G3
UA値 0.46 0.34 0.28 0.20
天井 吹込GW
λ=0.052
厚さ=300
吹込GW
λ=0.052
厚さ=400
吹込GW
λ=0.052
厚さ=400
HGW16K
λ=0.034
厚さ=310
外壁 HGW24K
λ=0.036
厚さ=120(充填)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=80(外張)
+
HGW16K
λ=0.038
厚さ=105(充填)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=80(外張)
+
HGW16K
λ=0.038
厚さ=105(充填)
プラ系
λ=0.022
厚さ=100
+
HGW
λ=0.034
厚さ=210(充填)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=95(剛床)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=155
(根太+大引間)
XPS3種
λ=0.028
厚さ=75(根太間)
+
HGW16K
λ=0.038
厚さ=100(大引間)
プラ系
λ=0.022
厚さ=200
(根太+大引間)
U=2.33 U=1.90 U=1.30 U=1.30
ドア U=2.33 U=1.90 U=1.30 U=0.89