省エネ基準入門 - 寸法を確認する

外皮平均熱貫流率(UA値)や平均日射熱取得率(ηA値)を計算するためには、まず各部位の面積を計算します。
面積を計算するためには、図面などから各寸法を確認します。
寸法は部位ごと、方位ごとに確認します。

水平方向

水平方向は壁心間の寸法(軸組構法は柱の中心線)を用います。
ただし、所管行政庁によっては壁心の考え方が異なる場合がありますので、基本的には所管行政庁の面積算出法に従ってください。
屋根断熱の場合、寸法は水平投射の寸法ではなく、実寸法(外気に接する寸法)になりますので注意が必要です。

垂直方向

垂直方向の寸法は熱的境界の位置によって変わります。
上端は天井断熱か屋根断熱かで変わってきます。
天井断熱の場合は、天上仕上げ面までが外壁寸法になります。
屋根断熱の場合は、桁天端までが外壁寸法になります。

下端は床断熱か基礎断熱かで変わってきます。
床断熱の場合は、床仕上げ面までが外壁寸法になります。
基礎断熱の場合は、基礎天端までが外壁寸法になります。

開口部(窓・ドア)

開口部の寸法は以下のいずれかの寸法により求めます。
・建具の出来寸法
・ JIS A4706 に基づく呼称寸法
・ JIS A4710、及びJIS A2102-1

出窓

出窓がある場合、床面から高さが300mm以上で、壁面からの突出が500mm未満の場合は、突出していないものとして扱うことができます。
上記以外は突出部分を外壁、屋根、床として考慮しなければなりません。

土間床・基礎断熱

土間床、基礎断熱の場合は、土間外周部の周長の寸法を確認します。
周長は、外気に接している部分と床下に接している部分を分けて確認します。
基礎断熱の場合は、通常床下に接している部分はなく、外気に接している部分が基礎断熱の周長になります。

土間床・基礎断熱の場合、現在は旧計算法新計算法があります。
新計算法では土間床外周部基礎壁を分けて計算します。
この場合は、基礎壁の寸法も確認します。
基本的に基礎壁は外壁と同様に寸法を確認します。

土間床上端が地盤面より高い場合は、土間床上端から基礎天端までが基礎壁になります。
地下室のように土間床上端が地盤面より低い場合は、地盤面から上側にある基礎の壁部分の面積が基礎壁の面積となります。
ただし、ドライエリア(空堀)に面する基礎壁は、土間床上端から基礎天端が基礎壁になります。

 

2022年11月03日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門