エネボスでは、充填断熱材と柱や梁(木材熱橋)の部分、断熱材と内装材の層構成など、詳細な仕様を考慮することができます。
その場合は「設計仕様」という機能を使用します。
設計仕様では、断熱工法、断熱材の種類や厚さ、木材熱橋率(面積比率法)、層構成などを登録することができます。
一度設計仕様を登録してしまえば、同じ設計仕様の部位は選択するだけで済みますので、入力の手間を省くことができます。
また、断熱材の種類や厚さの変更があっても、データ全体を変更することなく、設計仕様を変更するだけで済みます。
エネボスでは、部位(外壁・天井・床など)ごとに設計仕様を登録できます。
代表的な工法の設計仕様はすでに登録してありますので、後は必要に応じて断熱材の種類や厚さを編集したり、新しい設計仕様を追加したりしてください。
登録
エネボスで設計仕様を登録する方法は二つあります。
一つは「定形」、もう一つは「詳細」です。
定形は、断熱方法、断熱材の種類と厚さ、工法などを選択するだけで、充填断熱、外張断熱、またはその両方を考慮することができます。
定形は充填断熱時の木材熱橋などを簡単に考慮できます。
詳細は定形よりも複雑な構造を考慮でき、 充填断熱時の木材熱橋だけでなく断熱材と内装材・合板など層構成も含む構造を考慮することができます。
定形
「定形」は設計仕様を簡単に登録できる機能です。
断熱の方法は充填断熱、外張断熱、またはその両方を設定できます。
また、充填断熱の場合は断熱材の種類と厚さを設定し、断熱工法を選択します。
断熱工法を選択することで木材熱橋比率を自動で設定します。
適当な断熱工法がない場合は、「その他」を選択し「木材熱橋比率」を入力してください。
外張断熱の場合は、断熱材の種類と厚さを設定し、断熱材を貫通する下地材などがあれば「下地材など、断熱材を貫通する部材がある」をチェックしてください。
定形では充填断熱+外張断熱の複合断熱も考慮できます。
この場合は「充填断熱する」「外張断熱する」の両方をチェックし、それぞれを設定してください。
定形で作成した設計仕様は、登録後に「詳細」に変換することもできます。
詳細
「詳細」は、様々な設計仕様に対応することができる機能です。
「定形」は断熱材を中心とした設定になりますが、定形だけでは考慮できない複雑な構造の部位は詳細を使用して設計仕様を登録します。
特に断熱材とせっこうボードや合板など、層構成になっている状態を登録する場合はこの機能を使用してください。
充填断熱の面積比率を考慮する場合は、「充填断熱追加」ボタンをクリックすると、簡単に設定することができます。
また、せっこうボードを追加する場合は「せっこうボード追加」ボタンを、合板を追加する場合は「合板追加」ボタンをクリックするとスムーズに設定することができます。
計算上は材料の順番は関係ありません。
ただし、表示上見た目をわかりやすくしたい場合は、ウインドウ下部にある「▲」「▼」ボタンをクリックして順番を移動してください。
設計仕様選択ボタン
登録されている設計仕様を選択する場合は、設計仕様リストで設計仕様を選択し、「設計仕様選択」ボタンをクリックしてください。
部位入力パネルの「設計仕様・材料」で選択した設計仕様が選択されます。
編集
登録してある設計仕様を編集する場合は、設計仕様リストで編集する設計仕様を選択し「編集」ボタンをクリックするか、ダブルクリックしてください。
編集する場合、設計仕様が「定形」、「詳細」で設定画面が異なります。
削除
登録してある設計仕様を削除する場合は、設計仕様リストで削除する設計仕様を選択し「削除」ボタンをクリックします。
設計仕様選択後、Ctrl+DELキーでも削除することができます。
複製
選択されている設計仕様を複製します。
設計仕様の一部を変更してから設計仕様を追加する場合は、すでに登録されている設計仕様を複製すると手間を省くことができます。
設計仕様を複製する場合は、まず元になる設計仕様を選択してください。
次に設計仕様リスト上でマウスの右ボタンをクリックするとメニューを表示します。
メニューの中に「複製」がありますのでこれを選択します。
移動
設計仕様の表示順番は入れ換えることができます。
設計リストで移動したい設計仕様を選択し「▲」(上へ移動)、「▼」(下へ移動)ボタンをクリックします。
変換
「定形」で登録した設計仕様は、「詳細」に変換することができます。
設計仕様リストで変換する設計仕様を選択し、マウスの右ボタンをクリックします。
メニューを表示しますので、「変換(定形→詳細)」をクリックしてください。
大まかな設定を定形で行い、変換後詳細で細かな材料を追加すると、詳細の設定を簡略化できます。
面積比率法ではなく詳細計算法で入力する場合
エネボスでは面積比率法ではなく詳細計算法で計算することも可能です。
充填断熱時に柱や梁などを一本ずつ拾う詳細計算法で設定する場合は、断熱材と柱などの断熱材を貫通する木部を分けて、それぞれを一つの部位として入力します。
なお、この方法は柱などを一本ずつ入力する必要があるため入力時間がかかります。
一般的には面積比率法を使用して以下の設計仕様で計算するのが一般的です。